甘えと自己主張との付き合い方
甘えというのは愛情を欲しがっているから出るのだ、というのはよく聞く言葉です。赤ん坊の甘える行動は心理的な安らぎを求めて母親や周囲の人間に対してすることですから、そこでしっかりと甘えを受け止め癒してあげることで自己肯定感が育つといわれますし、変に心配や躊躇をせずに十分甘えさせてあげましょう。それではもう少し大きくなって幼児期にでる自己主張はどうでしょうか。抱っこして欲しいなどの甘えとはちがって、自己主張は大人を困らせてしまうことが多いものです。どうしても自分で服を着るとか、これは食べたくないけれどこっちは食べたいだとか。しかし自分の意見を言って周囲との摩擦で勉強していくのが正しい成長ですので、ただダダをこねているのだと決め付けるのではなく、一呼吸おいてから子供の言葉や態度を受け止める努力をしてみてください。その時は親も感情的になりがちですから、一度深呼吸をする、心の中で10秒数えるなどして一旦自分を落ち着かせましょう。その上でダメなことはダメ、待てることは様子を見るなどの判断を下すようにしましょう。
我慢できなこ子供に対して
我慢が出来ない子は悪い子、日本では昔からそういう価値観があります。しかし現代の教育哲学などではそれは反対のことで、我慢がならないというのは自己主張が出来る子供という意味で、とても正直に育っているというように書かれています。子供というのは本来好奇心に満ちていて、あれもこれもと手を出しては自分の中の世界を広げていきます。それを大人の都合で押さえつけて育てやすい子に無理やりしていないでしょうか。子供の主張はどんなものであれ、一度はちゃんと聞いてみることが大切です。その上でそれは我が家のルールではない、とか、人の迷惑になるからやめとこうね、などの声かけをすれば、何も聞かずに頭ごなしで叱るときに比べて子供ははるかによく言うことを聞くようになります。大切なのはどうしてそれは今出来ないのか、やってはいけないのかを子供自身が納得することですからイライラしてつい怒鳴ってしまうという方も、子供の好奇心を殺してしまわないように配慮をする努力をしてみてください。否定され、叱られると誰でも傷付きます。子供の主張は一度は聞いてみること、忙しない日常の中ではこれが難しいのですが、そこは努力をすべきところなのです。
2歳からの教育子育て
魔の2歳児、そう呼ばれるのは、その頃には最初の反抗期とも言えるイヤイヤ期が到来するからです。何をしてもイヤ。何をいってもイヤ。口を開けばイヤイヤ言うのでイヤイヤ期と呼ばれるのですが、ここでも周囲の人間、特に世話をしている母親は困り果てます。しかし、実際には子供にも思いはあるわけです。それをうまく表現できずにいやだと叫ぶのです。ですから、単なるわがままなのではない、と母親が理解することが大切です。その上でここはいいしつけをする絶好のチャンスだ、と意識を転換しましょう。2歳とはいえど、大人の言うことをある程度は理解しています。号泣しているなどではない場合、とにかく頭ごなしに怒鳴らずに言い聞かせてみましょう。理由を説明して、だから今はそれは出来ないのよと教えるだけでごねるのをやめる子供もいます。号泣している場合にはとにかくイヤの原因から注意を逸らすように努めましょう。抱っこをして揺らしてあげる、外へ連れ出す、それだけでも子供は甘えていいのだと安心すると言われています。落ち着いたら、改めて問いかけて、何をどうしたかったのかを聞くのもいいですね。
2 歳の発達障害を知っておく
ADHDとは日本語で注意欠陥、多動性障害と訳されます。そしてASDは自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群です。どちらも発達障害として最近では話題になり研究結果なども発表されていますが、発達障害は先天的な脳障害で、昔から言われていた「躾のされていない子」というのは完全な誤りであることがわかっています。2歳になると保育園や幼稚園に入りだし、社会生活が始まります。その中でうちの子はちょっと違う?と親が感じたり、預け先から専門機関の受診を進められたりして発覚することが多いのです。まずは先天性の障害であって、親や子供本人のせいではない、ということを理解しましょう。その上で、子供が抑圧されず気持ちよく生活出来る方法を親子で一緒に学んでいきましょう。周囲がADHDやASDに理解があると、摩擦も起き難い上に本人も苦しむことが少なくなります。発達障害は年齢を経るにつれて徐々におさまってくることも多いですから、診断されても焦らずに事実として受け止め、これからどうやったら親子で安心して過ごしていけるかを考えていくことが大切です。