赤ちゃんに対して添い乳
赤ちゃんに授乳する時に、母乳の場合は一緒に横になりながらあげる添い乳をすることがあります。しばらくは昼も夜も関係なく続く授乳とおむつ替えというサイクルの中で、ママがまとめて睡眠を取れなかったりします。一緒に横になったまま授乳し、赤ちゃんもすぐに寝てくれるというのは、さまざまな負担がかかっているママの体を楽にさせるというメリットが大きいです。 昼夜が分からない期間を乗り越えた先には、昼と夜のリズムが付き、添い乳も夜の授乳時のみとなってくることが多いです。そこでママもぐっすり寝てしまい、腕や体の部位によって赤ちゃんを知らぬ間に圧迫させてしまい窒息の恐れがある、というデメリットもあります。このような事故は実際に起こっていることですので、十分注意したいことです。また、添い乳はママが横向きになりますので、左右のどちらか、やりやすい方で毎回やってしまいがちになり、乳腺炎を引き起こす可能性も大いに出てきます。出来る限り両方のおっぱいを交互に吸ってもらえるように意識することで、乳腺炎を回避することができます。
ママとのスキンシップで母体が休められる
添い乳での最大のメリットと言われる、ママの身体を休めることが可能となるという点は、赤ちゃんにとっても嬉しいことが満載です。肌と肌が触れ合っていると、赤ちゃんはママの体温と匂いで安心することができます。そこへ大好きなおっぱいがあれば、お腹も心も満足となります。赤ちゃんの睡眠の質が良くなることも分かっています。また、次に目覚めた時に感じる不安を減少させ、夜泣きを防ぐ効果もあります。授乳の間隔は赤ちゃんそれぞれではありますが、添い乳をすると、ちょうど赤ちゃんが目覚めて欲しがった時が授乳のタイミングですので、その間隔が把握しやすいというメリットもあります。 ママにとっても、座っておっぱいをあげるよりも横になってあげるほうが、スキンシップを取りながらもつかの間の休憩を取ることができます。小さな命を守るために、しばらくの間は防衛反応が強くなり、頑張り過ぎてしまうのが母親です。それでも、食事や睡眠をある程度は取らない事にはそのエネルギーが充電できませんので、それを補う方法の一つとして添い乳が選ばれています。
ママと以外寝つきが悪い
添い乳が習慣化すると、ママ以外では寝つきが悪くなってしまうことも多くあります。もともと赤ちゃんの睡眠サイクルは大人のそれよりも短くて、40~60分ごとに浅くなると言われています。この短い間隔で泣いてしまったらすぐに添い乳、というクセを付けてしまうと、おっぱいなしでは寝なくなってしまいます。 新生児期においては母乳分泌を促進するためにも、夜中の頻回授乳が推奨されますが、もうちょっと大きくなってきたら、本当にお腹が空いている時以外は避け、眠る儀式としての添い乳は減らしていくのが良いでしょう。代わりとなる方法としては、パパによる抱っこや背中をトントンするといった入眠儀式を習慣づけるというのもあります。ママが近くにいるとどうしてもおっぱいの良い匂いがするので、パパが赤ちゃんのお気に入りグッズ(バスタオル、ぬいぐるみ等)を持ってきてあげて、赤ちゃんのそばにおき、安心できる環境を意識的に作っていくのも良い手です。目が覚めた時に、同じ匂いやグッズがあるというのは、赤ちゃんの安心感を満たしてあげることができます。
添い乳で離れが難しい
寝入りばなに添い乳が習慣化している子では、1歳を過ぎても眠りが浅く、長時間まとめて寝てくれないという場合も少なくなりません。卒乳したらびっくりするくらいまとめて寝るようになったという子もいます。この場合は寝る儀式となってしまった添い乳が、短い睡眠の原因を作ってしまっていたということになります。これではママの身体も疲れますし、睡眠も十分に取ることが出来ません。 そうならないために出来ることは、早寝早起きの習慣を付けさせるためにも朝には部屋に日の光を入れる、昼寝の時間を決め習慣化、安眠グッズを利用しておっぱい以外での寝かしつけに慣れさせる、などがあります。とにかく添い乳が安眠に欠かせないもの、ということを習慣化させず、寝るときに安心できるものがあれば眠れるという環境を整えてあげることがポイントです。 おっぱいを卒業する時期も個人差がありますので、年齢的に遅いと感じても、添い乳だけが原因とも限りません。卒乳に向けて心配であれば、昼間は抱っこしての授乳、夜だけは添い乳にするというのも良い方法の一つです。